ご挨拶
青森青年会議所 2010年度 理事長 西田文仁
理 事 長 西田 文仁
2010年度スローガン
志掲げ 共に進もう! 愛するまち あおもりの明日へ向かって
所信
●はじめに
西暦2010年。私達を取り巻く状況は、日々目まぐるしく変化しています。アメリカから始まった世界的な金融危機は、金融機関相互の信頼を低下させ、世界中の株式市場や為替市場に大きな影響を与えました。その結果、企業や家計の心理は悪化し経済を押し下げる悪循環は未だ収束しそうにありません。加えて、長期的な視野で見ても、本格的な少子高齢化社会の到来による生産年齢人口の割合の減少、原材料の高騰やエネルギー問題、資源問題など厳しさを増しています。
先行き不透明な迷いの時、変化に望みを託したいと思うのは自然な事でしょう。しかし、漠然と変化を望む、あるいは他者に希望を託すだけでは、ただ右へ左へと風見鶏のように揺れ動いているだけにすぎないのではないでしょうか。それではこのような迷いの時、いったい私達は何を頼りに前へ進めば良いのでしょうか。
●変革の時に
今、私達のまち青森市でも大きな変革が起ころうとしています。2002年12月の東北新幹線「盛岡~八戸間」の開業以来、約8年の時を経て、2010年12月に「八戸~新青森間」が開業しようとしています。新幹線の開通により、現在乗り換え時間を含めて最短でも3時間59分かかる「東京~新青森間」が最速で3時間10分(2012年度末からは、さらに3時間5分に短縮)という速さで結ばれることになります。雪国である青森にとって、雪に強い新幹線は首都圏を結ぶ高速移動手段の一つとしてとても期待されています。そして、2009年3月には「地域活性化対策」の一つとして高速道路料金の引き下げがされました。また、今後「高速道路無料化」の導入も検討されています。高速道路の料金の引き下げは、私達に生活・行動範囲の拡大をもたらしました。
しかし、これらのことが、もたらす効果は青森に住む私達にとって歓迎するものだけではありません。一般的に高速交通網が整備されると、人々はより魅力的な商品や品揃えを求めまちの外に出ます。高速交通網が無い時は何時間もかけて大都市に買い物行くことは考えられない為、普段は手近な地元で買い物を済ませ消費力は地元の商業に還元されます。しかし、高速交通網が整備されれば、短時間で都市部にある巨大な百貨店や話題のレストランなどに行けるようになることから、品揃えにも限りのある地元の小さな商店街でわざわざ消費をしなくなります。これらの為、より大都市へと購買力などが集中し、地方都市は衰退することが懸念されます。交通の利便性の向上は人やお金のさらなる流出に繋がる可能性があるのです。
まさに今、私達の暮らしの基盤を作っている“まち”というコミュニティが、あらためて問い直されようとしています。行財政改革や地方分権、市町村合併等をめぐるまちの動きは、国に頼らずに自立せよ、という大きな流れの現れではないでしょうか。まちの自立は、一方で自治体間競争の激化、そして淘汰を意味しています。すなわち、まちは住民によって“選択の対象”となったと言えるのです。これまで私達は、様々な面で首都圏を中心とした毎日を送ってきました。首都圏には地方から人や物や情報が集中し、新しいものは常に首都圏から発信されます。私達の多くは都会に憧れ、同じようになりたいと考えてきました。まちのベクトルは常に都会を向いてきたのです。
しかし、これから私達のまち青森が“選ばれるまち”になる為には首都圏中心の価値観だけに固執するのではなく、新たな地域間の枠組みを考えることが必要ではないでしょうか。自立したまち同士が手を取り合うことで創れる未来がそこにはあります。都会からの受け売りの物差しではなく、自分達の価値観で考え行動するのです。私達の価値観を見つめなおし地域が自立して物事を考え実践して行きましょう。そうすることによって私達は仕事においても人生においても、より心地よくより快適に、自分らしく生きることが出来るのではないでしょうか。私達、社団法人青森青年会議所のメンバーは、このまちで生きるものとして、さまざまな社会変化に対しどう対応していくのかという考えを明確に持つことが必要なのです。社会や地域、そして個人のライフスタイルも変わりつつあります。昨日までの成功体験に基づく発想や考え方が、そのまま通用するとは限らない先行きの不透明な未来を、私達は迎えようとしています。こうした大きな時代の変革にあるからこそ、私達は自ら率先して個人や地域、さらには日本という国の将来ビジョンを展望し、自らの足元から具体的な行動を起こしていくことが求められているのです。そしてその実現の為に私達がどの様な組織で有るべきか、私達自身がどうあるべきかを考えて行く必要があります。
●今こそ「志」を持つ時
志とは一生を通じた遠大な目標です。志を持てば、世の中で起こる様々な事柄に対し迷い流されることは無くなります。なぜなら、自分が今何を為さなければならないのかが判るからです。志は自らを動かし、志を持つ人は多くの他者を動かします。しかし、志を持つという事は簡単ではありません。志を持つ為には、それを持ちたいという意志と、様々な経験を積み重ねること、自らの志を人に伝えることが大切です。そして、青年会議所は、志を持つ為の多くの機会が有る場所です。私は2003年11月に社団法人青森青年会議所に入会しましたが、入会当初は、何もわからず、自分でも青年会議所で活動する意味をずっと考えていました。しかし、この青森のまちのことを真剣に考え行動する仲間に出会い、次第に自分もそうなりたいと思うようになりました。そして私は「ふるさと青森から求められる人間になる」という志を持ちました。私達は様々な可能性を感じて青年会議所に入会します。しかし、何かを成そうとする時、そこに志がなければ本質的には何も出来ないと思うのです。一度しかない人生を人に流されて漠然と生きるという生き方もあります。どのように生きるのかは、その人それぞれです。しかし、青年会議所は「明るい豊かな社会」の実現を理想とする次代の担い手たる責任感を持った20歳から40歳までの青年の団体です。私達はこの20歳から40歳という限られた時間の中で、志という人生における大きな目標を立てることができれば、物事は必ず達成出来ると信じます。逆にその時に志を持たなければ、充実した人生は送れないとも思います。2010年度は、私達一人一人が地域のリーダーとして志を掲げ、精一杯活動していきましょう。
●飛び出せ!青森
私達が志を持ち「明るい豊かな社会」をこのまちで実現していく為には、そこに住む人々の理解と参加こそが出発点となると考えます。それは、人と話すこと、人と関わること、すなわち「交流」がまちづくりの基盤となるのではないでしょうか。積極的に行動し、様々な場所で青森を発信しましょう!人と人との交流、まちとまちとの交流を加速させることにより、地域振興、地域活性化が図られるのです。交通や情報網が整備され“人”や“もの”や“情報”が短時間で行き来出来るようになり、いままで地方にとって障害となっていたものが徐々に無くなろうとしています。だから私達は積極的に域外に飛び出し、青森を発信することが大切です。私達のまちには熱気溢れるねぶた祭りや三内丸山遺跡の縄文文化、甘酸っぱいカシス等たくさんの魅力や誇れるものがあります。今まさにこれまで青年会議所活動で培った私達の経験とネットワークを活用し青森のすばらしさを多くの人につたえる時が来たのです。
●確実な組織運営と積極的な情報発信
青年会議所の活動の中でも、“組織の運営”と“情報の発信”は会の根本を為す重要な活動です。そして、確実な組織運営ならびに積極的な情報発信は会の存在価値の向上に繋がります。これから行う活動やこれまで行った活動をより魅力的に見せること、そして外部へ情報発信をすることのメリットは計り知れないものがあり、知名度の向上はもちろんのことメンバー間の活性化および会員拡大にも繋がります。実際、私達の行った活動はどこまで届いているでしょうか。情報化社会の現在、発信の方法はテレビやラジオ以外にも多種多様にあります。特にインターネットの積極的な活用(例えばホームページ、メールマガジン、ブログ等)は、新しい地域間交流の創造に繋がります。2010年度は確実な組織運営の下、私達が行う活動を積極的に発信しましょう。
●志を共有する新たな仲間との出会い
経済状況を反映し、近年の社団法人青森青年会議所の会員数は減少傾向にあります。各々の仕事の上に成り立っている青年会議所活動としては影響を避けられない面もあります。しかし、会員数の減少は、社団法人青森青年会議所の根幹を揺るがす非常に重要な問題です。仲間がいなくては青年会議所活動も成り立たちません。会員一人一人がより会員拡大への意義を理解すること、そして多くの仲間と一緒に活動したいという気持ちを持つことが大切であると考えます。その為にも積極的に多くの方と交流を行い、一人でも多くの入会を目指し一致団結して会員拡大に取り組む必要があります。
●向上心を持って交流しよう
青年会議所に入会するとメンバーとの出会い、先輩との出会い、事業に参加してくれる子ども達との出会い等様々な出会いがあります。また、日本青年会議所や地区協議会、ブロック協議会へ出向すること、そして全国大会等各種大会に参加することは多くの志高い仲間に出会う機会となります。人と人との出会い、それは私達にとって一生を通じとても大きな財産になります。また、いい人間関係をつくるということは自分自身が日々努力をしなくてはできません。お互いに信頼し合い相談出来るという人間関係をつくっていく為には、自分自身が信用されるということ、愛されるということが一番大切なことではないでしょうか。青年会議所の活動の中でその出会いを大切にすることを心がけましょう。人と人の出会いにおいては、自分自身が向上心を持って積極的に交流する事が大切です。その一歩を力強く踏み出しましょう。
●青少年の健全育成への取り組み
55周年運動指針で掲げた「人を育む事業」として実施してきたキャリア教育事業(夢発見ワークショップ)では、多くの子ども達に対し“自分の将来について考えるきっかけ”を与えることが出来ました。働くことを考えることは、生きる意味や目的を見出すことに繋がり、青少年の健全育成は未来のまちをつくることに繋がります。そして、この公益性あるすばらしいキャリア教育事業(夢発見ワークショップ)を今後さらに地域に根付いた事業として確立していく為には“事業を理解し協力してもらえる人の輪を広げること”、そして“その方々を受け入れ事業に参加してもらう方法を考えること”等、更なる高みを目指した交流を育む事が、次代の担い手たる子どもたちに対して、充実した人生を送る為の志を与える機会になるのではないでしょうか?今まさにこのキャリア教育事業を持続発展させる為の“新たな仕組みづくり”が必要なのです。社団法人青森青年会議所がこれまで行ってきたキャリア教育事業(夢発見ワークショップ)をさらなる発展に繋げましょう。
●ねぶた祭りを活用し交流を育む
東北三大祭りに数えられ、毎年300万人以上の観客動員数を誇る青森ねぶた祭りは、国の重要無形民俗文化財にも指定された日本を代表する火祭りです。これまで社団法人青森青年会議所は42年の間、そのねぶた祭りに携わってまいりました。そして、ねぶた事業は“地域文化の伝承”や“後継者の育成”に繋がる公益性の高い事業です。その公益性を認識し“もの”としての魅力溢れるねぶた祭りを積極的に活用しましょう。ねぶた祭りは人と人が出会う絶好の機会です。誰でも自由に参加でき、ラッセラーの掛け声で、見ず知らずでも一緒になって盛り上がれます。2010年度のねぶた事業は“参加したくなる、参加して楽しい魅力あるねぶた”を目指し積極的に多くの方との交流を図りましょう。多くの人と交流を育むことは、ねぶた祭りの発展ならびにまちの発展に繋がると考えます。
●公益社団法人格取得へ向け
現在、社団法人青森青年会議所は公益社団法人移行に伴う手続き進めてまいりました。この事により、周囲からは透明性・公益性のある活動が強く求められています。より透明性・公益性を高める為に、会としての組織力を強化する必要があります。これからは、私達社団法人青森青年会議所メンバーは常に公益性を意識した活動を心がけましょう。公益法人への取り組みは社団法人青森青年会議所にとって必要不可欠な事柄であると認識し、取得へ向けた対応を強化してまいります。
●むすびに
志とは他の誰かから与えられるものではなく、自らが本気になって求めることによって持つことが出来るものです。そして、志は持ちたいと思っても、持てる人も、持てない人もいます。しかし、私達が志を心から本当に求めた時、それを持てる土壌が青年会議所にはあります。これまで志を持った実行力ある青年がこのまちを動かしてきました。変革の今、志を持つ一人の青年として愛する青森の為に力を合わせ共に行動しようではありませんか。人と人とがふれあう“交流溢れるあおもりのまち”を実現することで、社団法人青森青年会議所の価値向上を図り、地域社会から求められる青年会議所、そして青森市民でありたいと思います。
世界でただ一つのすばらしいまち青森。
このまちに生まれて本当によかった。
これからもこのまちと共に生きてゆく。
・地域発信交流事業への取り組み
・確実な組織運営に基づく会の情報発信への取り組み
・会員拡大への取り組み
・人づくり事業への取り組み
・青森ねぶた祭りへの出陣
・公益社団法人取得への対応

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